相続不動産の活用方法!生前の節税対策と不動産活用の注意点を解説
相続税評価は、原則として相続開始時点の利用状況などを基に決まります。そのため、相続後に賃貸へ転用しても、今回の相続税評価額が遡って下がるわけではありません。
本記事では、相続後に不動産を売却・賃貸・保有する際の判断基準と、生前に行う相続税対策を分けて解説します。
- 相続税の節税をするなら、現金を不動産へ組み替えておくなど、生前の対策が必要。
- 「納税資金不足」「相続人同士の対立」「賃貸活用し赤字になる」といったリスクも。
- 相続対策は、税理士と、不動産会社の両方に相談しながら進める。
読む前の3つの疑問
目次FAQ
評価の仕組み
生前の資産組み替えで
相続税評価額を抑えられる仕組み
相続税評価額は相続開始時点の財産の状態で決まるため、対策の効果が出るのは生前に組み替えた場合です。不動産は現金と評価方法が異なり、賃貸物件へ組み替えておくと評価額を抑えられる場合があります。
相続税評価額とは、相続税の計算に用いる財産の評価額です。財産の種類によって評価の方法が異なるため、同じ金額の資産でも相続税の計算に使われる金額は変わります。
資産の種類ごとの
基本的な評価方法
申告・納税が必要になる目安
正味の遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えると、申告・納税が必要になります。そのうえで、財産の種類ごとに評価方法が異なります。
現金
相続開始時点で手元にある金額そのまま
預貯金
原則として相続開始日の残高に、既経過利子(源泉徴収税額相当額を控除した後の利子)を加えた金額
土地
路線価方式または倍率方式で評価
家屋
原則として固定資産税評価額×1.0(=固定資産税評価額そのまま)
資産の種類別に見る相続税評価の違い
| 資産 | 基本的な評価方法 | 賃貸時の調整 |
|---|---|---|
| 現預金 | 原則残高(預貯金は既経過利子を加算) | なし |
| 土地 | 路線価・倍率方式 | 貸家建付地評価 |
| 自用家屋 | 固定資産税評価額×1.0 | なし |
| 賃貸不動産 | 土地・家屋を別評価 | 権利・賃貸割合 |
路線価の水準の目途
賃貸することで
評価額が下がる仕組み
貸家建付地とは、所有地の家屋を第三者へ貸している場合の敷地です。自用地評価額から、次の式で求めた額を控除します。
貸家建付地の評価(控除の考え方)
貸家も固定資産税評価額から、借家権割合と賃貸割合に応じた額を差し引きます。空室部分は原則対象外ですが、一時的な空室と認められる場合があります。
小規模宅地等の特例による
評価減
小規模宅地等の特例|減額割合
50%
一定の宅地等を減額評価する制度です。
適用の可否に注意
相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた土地などは、対象外となる場合があります。居住用の区分所有財産、いわゆる分譲マンションについては、2024年1月1日以後に相続、遺贈または贈与により取得したものから、区分所有補正率を用いる評価方法が適用されています。
評価額が下がることと
実際の負担は別問題
購入費・借入金・維持費を含めると、評価額が下がっても総負担は軽くならない場合があります。税理士へ確認しましょう。
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評価額を下げられても、納税資金・遺産分割・賃貸収支に問題があれば、相続対策は成功とはいえません。流動性・分割・収益性の3点を、事前確認と回避策までセットで整理しておくことが判断の軸になります。
不動産活用で確認する3つのリスク
| リスク | 問題 | 事前確認 | 回避策 |
|---|---|---|---|
| 流動性 | 納税までに売れない | 税額・売却期間 | 現預金を残す |
| 分割 | 公平に分けにくい | 相続人の意向 | 代償・換価分割 |
| 収益性 | 空室・修繕で赤字 | 実質収支 | 需要と出口を調査 |
流動性リスク|相続税を払う現金が不足する
不動産は売却期間や権利関係により、すぐ換金できない場合があります。想定税額、葬儀費用、生活費は現預金で確保しましょう。
分割リスク|不動産を公平に分けられず争いになる
共有名義は意思決定を複雑にしやすいため、1人が取得して他の相続人へ金銭を払う代償分割や、売却代金を分ける換価分割を検討します。取得者や売却方針は生前に話し合い、遺言書へ反映しましょう。
収益性リスク|空室や修繕で赤字になる
表面利回りではなく、家賃から管理費、固定資産税、保険料、原状回復費、修繕費、借入返済を引いた実質収支を確認します。名古屋市天白区・日進市周辺でも、駅距離、競合、間取り別需要、築年数、修繕計画を物件ごとに調べましょう。
相続対策前のチェックリスト
- 納税資金
- 相続人の意向
- 実質収支
- 修繕計画
- 出口戦略
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進め方
専門家連携で進める
不動産相続対策の
4ステップ
相続税の計算は税理士、価格・収益性・売却可能性は不動産会社へ相談し、両方の試算を照合します。専門家連携とは、税務効果と不動産事業の実現性を同時に検証することです。
税理士と不動産会社の
役割を分けて相談する
税理士と不動産会社の役割
| 専門家 | 主な役割 | 用意する情報 |
|---|---|---|
| 税理士 | 財産評価、税額、特例、申告 | 家族・資産・負債 |
| 不動産会社 | 価格・賃料、需要、収支、売却 | 物件・修繕資料 |
相続登記など権利に関する登記は司法書士、境界確認や測量、分筆・地積更正などは土地家屋調査士、相続人間の紛争は弁護士など、内容に応じた専門家へ相談します。
相続対策を実行する
4つのステップ
棚卸し
現預金、有価証券、不動産、借入金と、名義、評価額、ローン、賃料、管理費、修繕履歴を整理。
税額試算
現状の税額と、納税に使える現金を確認。
活用案の比較
「賃貸活用」と「売却」のどちらが良いかは、将来の税負担・実質収支・売却のしやすさを踏まえて判断。
家族の合意
取得者、管理者、売却方針、納税資金を共有し、合意できない計画は進めない。
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結論
まとめ
相続した不動産を活かすには、
評価額を下げることだけを目的にせず、
実際に納税・分割・運用まで
無理なく進められるかを
合わせて確認することが欠かせません。
節税と実際の暮らしやすさの
両方を満たせて初めて、
相続対策は成功したといえます。
次の一歩を踏み出す前に、税理士と不動産会社の両方に相談してみましょう。
